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第二百十二話_short たけのこ掘り [allegory(寓意)]

 竹林に囲まれた伯父の別荘を訪れたのははじめてだった。

  小高い崖の上に別荘は立っていて、その崖に竹は生え並んでおり、別荘の裏庭との境辺りに幾つもの筍が顔を覗かせていた。

 三十センチも頭を出している筍の根元にシャベルを突っ込むと、高校生になったばかりの姉が同じようにシャベルを持った姿で笑った。

「そんなの伸び過ぎよ。硬くて食べられないに決まってるわ」

 そう言いながら姉はほんの数センチだけ頭を出した筍を見つけて掘りはじめた。

 私の筍はそれほど深く掘ることもなくすぐに根元を露わにし、シャベルの先で切り落とすことができたのだが、姉はどんどん掘っている。頭しか出ていなかった分、相当根深いらしい。もうすでに五十センチは掘っているのではないかと思われたが、それでもまだ根元が見えない。

 私は三十センチの筍をぶら下げながらおかしくなった。姉は多少知識があるのかもしれないが、結局いつも最初の見た目に惑わされて下手を打ってしまうのだ。見えているものだけで判断してはいけないと考えている私の方が偉いのだとまでは言わないけれど。

                          了

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