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第四百六十三話_short 虎視眈眈と狙っている [allegory(寓意)]

 男はここ数日間PCに張り付いて事の成り行きを見続けている。

 かの国がどう動くのか気になって仕方がないのだ。

「書記長、なにがそんなに気になります?」

 たまりかねて第一部下が訊ねた。すると書記長と呼ばれた男は軍帽を少し跳ねあげて目を吊り上げた。

「あたりまえではないか。あの国が一人の捕虜にあの膨大な金を支払ったとしたら……」

「支払ったとしたら?」

「我が国にはあの国からさらってきた者が五万といるのだぞ。全員を人質にしたら一体いくらになると思う?」 

「なるほど! では、早速我が方も……」

 部下が脅迫動画の準備に向かおうとするのを男は制した。

「まぁ慌てるな。かの国が本当に払うかどうか見てからだ」

 すると賢い部下が言った。

「しかし、あれほどの大金、早く唾をつけないと、なくなってしまいますよ!」

「あっ! そうかっ!」

 部下の言葉は男を大いに惑わせた。このまま相場を見極めるべきか、さっさと手を出すべきか、脂肪の下に埋もれた胃がまたしくしく痛みはじめるのだった。

北.jpg

                      了


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