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第三百四十四話_short スマート・ホーム [science Fiction(空想)]

いやはや便利な世の中になったものだ。

 もともと電信技術からはじまったのだが、スマート・フォンというものが普及してから遠隔操作技術が飛躍的に進化したのだ。

 最初は外出中にテレビ番組を録画したり、室内カメラでペットの様子を確認するというくらいのことだった。これらは電話の技術と電波を使えばいかにもできそうなことだ。テレビやカメラを遠隔操作できるのならと考えられたのが家電のコントロールだ。

 エアコンや照明、冷蔵庫、洗濯機、システムバスなど、あらゆる家電装置も外から操れるようになって久しい。これは便利だ。帰宅する前に部屋を暖めておいたり、風呂を沸かすことができるし、逆に電気のつけ忘れをしても外出先から消すことができるのだ。

 しかもこうした操作はすべて新しいリモコンを手に入れるのではなく、手元にあるスマートフォンでできるのだ。

 いまやなんでも外から操作できる。帰る前にお湯を沸かしたり、料理を温めたり、ご飯を炊くことだってできる。もちろん妻も同じようにスマートフォンを持っているからどちらかが外から遠隔操作すればいいのだ。

 今日のネットニュースでさらに驚いた。新しい技術によって、家電のみならず人間さえもコントロールできるようになったらしい。これは凄いが、恐ろしくもある。スマートフォンなんかでコントロールされてたまるものか。

 今日は早めに仕事が終わった。久しぶりに飲んで帰るか。ママの店にもしばらく行ってないし、若い女の子が入ったということだし。

 会社を出て繁華街に向かおうとしたそのとき、頭の中で何か「ピ!」という信号音がしたような気がした。なぜか私はくるりと向きを変えて家路についた。あれえ? 飲みに行こうとしてたのに、何故? 頭の中に疑問があふれかえっているのだが、どうしても家に向かうコースから外れることができないのだった。まるでなにかに操られているみたいに。 

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第三百四十三話_short 会社ごっこ [allegory(寓意)]

「君、ちょっと」

 部長が呼んでいる。きっとまた数字が足りないという小言なんだろうな。

「遠藤君、今月のこの売上、ずいぶんと少ないようだが達成できるのかね?」

 やはり思った通りだ。消費税アップの反動で人々が買い控えているから、どうしても去年と同じようにはいかないのだ。部長だってそんなことわかっている癖に毎度こんなことを言うのだ。

「しかし、部長だってわかっているんじゃぁないですか。先月に引き続いて今月も苦しいことくらい」

「ああ、わかっているさ。だがね君、私だって同じことを上から言われるんじゃあないか。君だってわかってくれよ」

 また同じ台詞だ。上から言われたことをそのまま下に言うのかお前は。少しは自分の頭で考えてみたらどうなんだ。こう思うが、そんなこと上司に言えるわけがない。

「なんだ遠藤君、不満そうな顔をしているが……言いたいことがあるのなら言ってみたまえ」

「じゃぁ、部長言わせてもらいますがね。毎度毎度売上データ表ばっかり眺めていても数字は変わりませんよ。部下に厳しいことを言うのなら、部長も自分で足を使って営業に出たらどうなんです? これじゃぁまるで会社ごっこだ!」

 ついに言ってしまった。すっとした。部長もすっきりした顔でにこにこしている。二人で口を揃えて繰替えした。

「確かに、会社ごっこだな!」

 部長の熊田がしみじみと言った。

「そんな台詞を言ってみたかったな」

「そうですね、ほんとうに」

「どうだ、すっきりしただろう?」

「じゃぁ、熊田さん、今度は私が部長をしますから」

「そうか! じゃ、頼むよ」

 私たちかつてのビジネス戦士は、時々集まってはこんなことをして遊ぶ。なんだか寂しくて昔を懐かしんで嘘でもこういうことをしてみたいのだ。定年退職以降、時間はたっぷりあるのだから。

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第三百四十二話_short 媒介者になってしまいました [literary(文学)]

 困ったことになった。まさかこんな騒ぎになるなんて思わなかった。

 日本にやって来たのはひと月ほど前。一度きてみたかったんだ。でも宿も取らずに行き当たりばったりで、まぁなんとかなるさと思ってたらホテルが空いてなくて、公園に止まることになってしまった。夏のことだしそれも面白かろうと思ったんだ。

 そんな風だったから、公園で食事も済ませていたのだけれども、まさかあんなことが起きるとは。

 しかし腹が減った。騒ぎのおかげでもう一月ほども腹に入れてないんだ。この先どうなるか恐ろしくって。私が食事をすると誰かが病気になるなんて誰が思う?

 そうなんだ、いつのまにか私の中にあの病原菌が紛れ込んでいたらしい。

 デング熱とかいう、あの忌まわしい病のウイルスが。

 私がほんのささやかな食事として誰かの血を吸う。そうすると私の口に潜んでいるデング熱ウイルスが伝染してしまうのだそうだ。そんなこと私は知らなかった。だって私自身は発症していないんだからね。だが、私を通じて人に伝染ってしまったのは事実のようだ。

 ひっそりと、誰にも気づかれずに、少しだけ血をいただいてきたのに、こんなことで血をいただけなくなるなんて。

 いまのところはヒトスジシマ蚊が媒介しているということになっていて、人間はその駆除に躍起だ。しかし、蚊を退治してもまだ感染が続くとなれば……それはまた大きな問題になるだろう。だから私は未だに食事にありつくことができないでいる。

 ああ、早くトランシルバニアに帰らねば。吸血鬼の故郷へ。 

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第三百四十一話_short ブラック・コメディ [allegory(寓意)]

「自分でも気が付いているとは思うが……」

 いつかは言ってやらねばと思っていたことをつい口に出した。久しぶりに一緒にランチをとった午後のことだった。

「なんです?」

「ああ、最近君が書いているあのブログのショートショートだがね、どうもブラックなものばかりではないのかね?」

 ネットになど疎かった男なのだが、最近どうしたわけかブログなどというものをはじめて、毎日なにかしら短い物語を書いているのだが、どうもその内容がブラックな方に偏っているのだ。

「わしも時々読ませてもらっているが、たいていはなんだか暗い・・・・・・・なんちゅうかほれ、実は死んでいたとか、実は主人公はゾンビだったとか、そんなものばかりだ」

 そう言われて彼はさほど気にする様子もなく答えた。

「だってそりゃぁ、私の好みですもの。あの有名な漫画家コンビの藤尾フジコだって、二人のうち片方は天真爛漫な子ども向けの作風だけど、もう片方はブラックな話ばっかり書いてるんですよ」

 確かにそう聞いたことがある。一人の漫画家は「ドラももん」とか「くるくるパーマン」とかいう能天気で楽しい漫画を描いてるのに、もう一人の方は「笑うビジネスマン」とか「怪物ちゃん」とか少し恐い要素を含んだ作風だという。

「しかしなぁ、世の中の人々は楽しく明るいお話を望んでいるのじゃぁないのかな? 読んだらさわやかになれるような……」

「そういうのもあるでしょうけど、ブラックとそういうものは表裏関係にあるんですよ。つまり……彼らは両方を望んでいる」

 なにを言っても通じない。思い込んでいるからか、それともそういうのが奴の本性なのかもしれないし。まぁ、本人がそれでいいというのなら仕方がないか。

「いいじゃぁないですか、自分のブログなんですから、私がどんなものを書こうと」

 しかしお前は世の中を明るくする立場にあるのじゃから、と言いかけてやめた。大昔はそうだったとしても、現代はもはやわしや彼の役割なんてないに等しくなってしまっているからだ。もはや神の意見などどうでもいいのだ。

「そうじゃな、好きにすればいい」

 わしはもう長い付き合いになってしまった大天使ガブリエルに微笑みかけながらそう言った。 

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第三百四十話_short 迷信行動 [allegory(寓意)]

 現代においても迷信を信じる人は多い。社の前では必ず手を合わせるとか、霊柩車が通ると両の手の親指を隠すとか、大抵の人はそういうことをするのではないだろうか。

 もっと現代的なのもある。見知らぬ番号からかかってきた電話には出ないとか、近くのスーパーより遠くのスーパーの方が安いとか、そういうのもある種の迷信みたいなものだ。

 心理学用語で迷信行動というのがある。これは、実際にはなんの意味もないのにある一定の行動を繰り返してしまうという状態をいう。一度宝くじに当たったら、次からも同じ販売所で宝くじを買って前と同じように黄色い紙に包んで神棚に供える、みたいな行動だ。

 私にもそういうのがある。

 仕事をはじめる前に必ずこのブログを読む。そうするとその日がいい一日になる気がするのだ。これはまさしく迷信行動だろう。

 もうひとつある。これは平日だけだが、毎朝必ず同じ時間に起きて、決まった時間に会社へと向かう。そんなことにはあまり意味はないとわかっているのだけれども、そうしないと生きていけないような気がするのだ。

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第三百三十九話_short ワンコイン貯金 [literary(文学)]

 限られた収入の中から銀行に預ける余裕などないのだけれど、ささやかな抵抗として小銭入れに入った五百円玉をブタの貯金箱に入れている。

 五百円といえばわずかな金額のようでもあるが、日々の生活費を考えれば馬鹿にならない金額だ。それでもなにかを買ったつもりで財布の中のご百円玉をブタの背中に投げ込む。そうやってだましだましコインを貯めることが私の唯一の貯金なのだ。

 最初の頃はいくら貯ったのか気になって途中で開けてみたい欲求にかられたが、後百円玉の投入が習慣になると、中身のことは次第に気にならなくなった。

 ブタのお腹がいっぱいになってもうコインが入らなくなると、また一個ブタを買ってきて投入を再開する。満腹のブタは押入れの隅に締まった。

 いま考えればこのとき中身をぶちまけて銀行に預けにいけばよかったのだ。だがそうしなかったばかりに、押入れの中には次々とブタが列をつくり、もはや鉄の塊とそう変わらない重さのブタたちを外に運び出すことは不可能に思える。あれから十年以上も過ぎてしまい、ブタはとおに押し入れからはみ出して隣室いっぱいに溢れてしまっているからだ。いったいブタが何匹いるのかさえわからない。もうすぐ隣室の床が抜けてしまうかもしれない。

 ブタ一匹に何枚コインが入っているのだろう。百枚? いやもっと。二百枚くらいか? そんなところだろう。そのブタが隣室に百匹、いや千匹。いやそんなものではないだろう。もう想像もつかない。

 そういえば最近、小銭入れの中に五百円玉が入らなくなってきたような気がする。どうしたことだろう。もう流通しなくなったのだろうか。世の中の五百円玉のほとんどが隣室に? まさか。

 ギシ。

 最近ときどき隣室から妙なきしみ音が聞こえる。

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第三百三十八話_short 呪いの言葉 [horror(戦慄)]

 ぼくが敬愛するホラー小説家S.キングの作品に「痩せゆく男」というのがあって、それはジプシーの老人から恨みを買って「お前は痩せていく」と呪いをかけられてしまい、実際どんどん痩せて死にかけるという恐ろしいお話だった。

 現実世界ではそんなことあるはずがない、あなたはそう思っているのではないですか? でも実際にも藁人形に五寸釘というようなものは存在しているではないですか。それを否定しますか?

 私は思うのです。あんなもの使わなくても言葉だけで呪いは成立すると。

 ほら、よくあるじゃないですか。「お前なんか死んでしまえ!」なんていうの。喧嘩終わりに言う捨て台詞で「一生呪われろ!」とかいうやつ。あれって、気にしなければいいのかもしれませんがね、実際は気にした方がいいんじゃないの?

「死んでしまえ!」

 そう言われてすぐに死んでしまうほどの力はないかもしれないけどね、世の中にはそう言われてほんとうに死んでしまったという事件もあったじゃないですか。

 忘れてしまった頃に呪いが効いてきて死ぬかも知れない。そうなるとただの事故や病気で死んだってことになるのでね、まさか誰も呪われて死んだなんて思いませんやね。

「死ね」なんて恐ろしい言葉じゃぁなくってもね、

「お前なんか不幸になれ!」

 なんて言われてごらんなさい。ぼくなんてもう不安で不安で眠れなくなっちゃいますね。あなた、大丈夫ですか?

 呪いの言葉を信じていないかもしれないけれど、「不幸になれ!」って言われてしばらくしたら親戚が病気になったとか、自分自身財布を落としたとか、そんなことなかったですかね? それって呪いの言葉通りになったとか思わなかった?

 まぁ信じなくってもいいですけどね、ぼくはある人に言ってやろうと思ってるんですよ。あの憎いあいつにね。

「ぼくはお前を生涯かけて呪ってやる、不幸になれってね」

 これ、普通に言ってもわからないだろうから、眼力を込めてね、目の前でね、印象的な声色で、三回ばかし繰り返して言うんだよ。そうすれば必ず効果を表すものさ。言われた奴は気になって気になって、そのうち自らド壺に入っていくはずさ。

 まだ信じられない? じゃぁ、あなたにも言ってあげようか? いやだって? いや、もう遅い。さぁ、覚悟してよ。

「あなたは・・・・・・必ず、いつか死ぬ」 

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第三百三十七話_short 無臭の結末 [literary(文学)]

 トイレから戻ってきた明夫が訊いてきた。

「そういえばお前、トイレの後でもまったく臭くないらしいな」

 どうやら友人の間で噂になっているらしい。

「そうだよ、おならだって大丈夫だ」

「いったいどうやったら?」

 興味津々に訊いてくる明夫に教えてやることにした。

「だいたいなんで便が臭いかわかるか?」

「そりゃあ……腐るからだろう?」

 そうだ。腹の中で食べたものの栄養分が吸収された後、そのカスは腐敗されつつ排出される。腐るときに臭いを放つのだ。ということは腐らせなければ臭わないということだ。そこで考えた。腐敗させなければいいんだと。

「俺は腐敗を止める薬を作ったんだ」

「それはすごいな」

 明夫は俺が発明した薬を欲しがり、噂が噂を呼んで、俺が作った薬、脱臭ドラッグは量産されることになってあっという間に世の中に広まった。

 斯くして世界中の人々の排便はすべからく臭わなくなった。

 だが考えてみれば、腐敗とは分解の工程なのだ。腐らないということは分解されない。分解されないということはそれがそのまま残るということなのだ。人々が排出した便は下水タンクに溜まり続け、慌てた役人が体積が減ることのない便を海へと垂れ流す。腐らない便を餌にした海の生き物もまた腐敗しない便を出し、増え続ける便の量に海の浄化システムが追いつけなくなったとき、海は糞まみれになった。

 臭わないとはいえ、糞は糞だ。

 こうして蒼い惑星は茶色い糞惑星になった。

 

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第三百三十六話_short 天才ダンサー [comedy(笑噺)]

 世の中には天才的な能力を発揮する人がいるよね。ほら、どんなことでも瞬時に記憶できちゃうとか、あっという間に大きな数字の計算をしてしまうとか。そうそう、数字だけじゃなくってさ、たとえば目にしたものをなんでも正確に描けるとか、聞いた音楽をピアノで再現できるとか。知的障害や発達障害を抱えた人もいるのだそう。

 そういえば私の知り合いにも一人、素晴らしくダンスが上手な人がいて……見た通りに踊れるというのもそうだけど、リズムが聞こえてくると自然に体が動いて見事に踊ってみせるのだ。あの腰の振り具合といい、手足の流れといい、天才としか言いようがないのだなぁ。ただし音楽は南米のものに限るようなんだけど。

 なんていったかなぁ、彼女のような天才ダンサーのこと……そうそう、確か、そう、あれだ。

 サンバ症候群……。  

                      了

     サヴァン症候群(サヴァンしょうこうぐん、savant syndrome)とは、知的障害発達障害などのある者のうち、

        ごく特定の分野に限って、優れた能力を発揮する者の症状を指す。(wikipediaより)

 

 

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第三百三十五話_short それは愛~黄色いクマの言葉⑯ [literary(文学)]

「君が教えてくれたさまざまな言葉の中で、いちばん好きだなって思っているのがどれだか教えようか? ちょっと甘すぎるかなって気もするんだけれども、でもやっぱり、人間にとって大事なことを言ってるような気がするんだ」

 ぼくは少しだけ照れながら言った。 

 普段は面と向かってこんな話をしたりはしないんだけれども、今日だけはちょっと言ってあげたくなったんだ。だからぼくは恥ずかしげもなく言ってしまうことにした。

「それはね……」 

 相手のことをとっても大事にすること。

 それって、愛っていうやつだと思う。

 頭の中で何回か繰り返しているうちは、とてもいい言葉だし、言ってあげなきゃあと思いつめていたのに、実際に君に向かって口に出してしまうと、やはりとても恥ずかしい気がした。実際君だってなんとなく頬を赤らめたように見えた。

 それでもぼくは勇気を持ってさらに言葉を続けた。

「ほんとうにこれはいい言葉だ。君が教えてくれたんだけどね。それに……」

 ぼくは言うか言うまいかどうしようかなと一瞬躊躇してしまったのだけれども、やはり言うべきだと思い直して言った。

「それに、ここでいう相手って……ぼくにとっては君のことなんだよ!」

 言ってしまってからまたしても恥ずかしくなって思わず君を抱きしめてしまった。

 黄色いクマのぬいぐるみの君はどう思ったのかわからないけれども、されるがままにぼくの腕の中で黙っていた。 

                      了

                                           (クマのプーさんの言葉より)

 

 

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