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第五百五十六_short 街宣の理由 [allegory(寓意)]

日出ずる国の丈夫が 今戦いに出でて征く

旗翻り血は湧きて 歓呼の声や喇叭の音〜

 またしても大音響を垂れ流しながら黒く塗装されたワンボックス車が数台連なって道路を占拠している。くるまの横には大日本義勇義士団と大きく書かれている。祭日になるとこういう輩が町中を往くので我々住民は非常に迷惑なのである。
「ああいうの、なんとかならないんですか?」
 警察に電話して取り締まりを要請しても、特に法を犯すような行為ではなく、届け出もされているということで、なんともできないという答えが返ってきた。
 腹立ち紛れに遠巻きに奴らの車に中指を立てて威嚇してみたら、車窓からニコニコ顔のおっさんに手を振られてしまった。憤怒の気持ちが伝わらなかったようだ。
 ああいう迷惑な奴らに何か一矢報いる手立てはないものかと毎回思うのだ。
♪南無阿弥陀〜南無阿弥陀〜南無〜
 なんだ? 今度はお経の街宣か? 
 見ると大日本茶坊主軍連団と書かれた抹茶色の車が連なっている。乗っているのはみんな坊主頭の連中だ。
「なんです? この連中は?」
「いやあ、知りませんな」
 誰も知らないというので、信号待ちで止まったタイミングで思わず助手席の坊主に聞いてしまった。
「あんたたち、新手の右翼なの?」
「右翼? 違いますよ。私は坊主頭の集まりですわ、な〜む〜」
 しばらくすると色とりどりの派手なスポーツカラーで塗装された車がやってきた。
♪山越え谷越えいざ登れ〜 み空は青いよ陽は高い〜
 車には大日本登山同好団とかかれている。
 な、なんなのだ、こいつら。コンビニの前に止まったので、訊ねてみた。
「あんたたちも、右翼なの?」
「右翼? 違うよ。私らは見ての通り、登山クラブですわ」
 ははぁ、最近はこういうのが流行っているらしい。同好の仲間が集まって街宣して回るというのが。
「しかしこれ、この車で山に登るんですか?」
 素朴な疑問にも答えてくれた。
「あはは、まさか。私らは山には登りませんよ。格好だけです。本当の登山者じゃあないよ」
 彼らの答えはとんでもなかった。登山が好きという集まりではないというのだ。むしろこの世から登山をなくしたいという自然保護団体だったのだ。登山者がこういう行為を繰り返すという見せかけで、アンチ登山を広めようとしているのだという。
 さらに彼らが言うには、さっきの坊主軍団は仏教僧ではなく、みんな新興宗教の信者たちらしい。この世から浄土宗を減らすのが目的だという。もちろん右翼団体と呼ばれる人たちも同様で、あれらは日本愛国者どころかほとんどの人間が日本国籍を持たない朝鮮人や在日朝鮮人で、日本国民を貶めるのが目的であんなことを繰り返しているというのだ。
 なんだ、みんな見せかけとは違うアンチを宣伝して回っているのか。するとまた新しい車の列が向かってきた。今度は非常に静かで、ときどき「よろしくお願いします」という遠慮がちな女性の声がするだけだ。車体に貼り付けられているノボリには「大阪を維新する会・都構想を実現させよう」と書かれているのだが。

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第五百五十五話_short 昭和の日 [allegory(寓意)]

日章旗.jpg  

 昭和の日は二千七年にみどりの日から名称が変わった祝日であるが、元来は昭和天皇の誕生日だった。

 なぜじゃ? どうしてわしの生誕記念日が休日じゃないのだ?

 墓石の下でどなたかがそう言ったのかどうかはわからないが、大正以前の天皇の誕生日がどうして祝日ではないのだという世論が広まり、いやいや、明治天皇の誕生日、十一月三日は既に文化の日としてあるぞ、などと議論が交わされた結果、歴代天皇誕生日をすべて祝日とすることが国会で決まった。

 従来の土日祝日に加えて六十四日が祝日として加えられ、毎年百五十七日が国民の休日ということになった。 

 年間百五十七日ということは、ほぼ半分がお休みなわけで、こうなるともうゴールデンウイークが毎週あるようなものだ。

「今度のゴールデンウイークはどこへ行く?」

 毎週そんな会話があると、いったいどのお休みのことを言っているのかわからない。もともと秋口の連休には「シルバーウイーク」などと名前が付けられていたのに準じて、プラチナウイーク、ブロンズウイーク、ダイヤモンドウイーク、エメラルドウイーク、パールウイークなどとありとあらゆる貴金属の名称があてがわれたが、結局どれがどれだかわからないままに、とにかくみんなそれぞれの大型連休を楽しむようになった。休日毎に大型消費が促進され、国内の経済が大きく動いて景気が好転するかに見えたが……

 一年の半分もお休みとなれば、生産力はガタ落ちとなり、逆に流通力が下落しはじめた。また国民も休日に使うお金が底をついてしまい、国中のみんながこれではいけないと考えはじめた。

 かくして休日は増えた分、一日の稼働時間を倍に増やし、実働日は早朝から深夜まで働き週の半分は休むという超歪な生活を営む国と変貌した。

 激働と悠休が共存する時代を表す広告から「モーレツ&ビューティフル」や「二十四時間働けますよ」等のキャッチフレーズが生まれ、 「上を向いて働こう」「ワーキングオールナイト」などのヒット曲が生まれた。

 常に遊びに行く先を探している日本人は「どこにイックアニマル」と揶揄され、やがて極端に働いて極端に遊ぶ生き方にもホツレが生まれて泡のように崩壊していくのだが……

 ありゃ? どこかで聞いたような……。 

歴代天皇誕生日.jpg 

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第五百五十四話_short 十種の表情 [literary(文学)]

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 チンパンジーにも十の表情がある。服従や敵意、喜びを表すその表情を使って、お互いにコミュニケーションして社会を構成しているのだ。

 モニター画面には十種の表情が順次映し出されている。被験者は、映し出された表情に呼応する表情を作るように支持されている。つまり映像と擬似コミュニケーションするように仕組まれているというわけだ。

 ところがなかなか上手く対応できないようだ。画面と同じ表情を真似ることすらできない者もいる。

ドクターは嘆いた。

「なんだっていうんだ。たった十の表情さえ作れないなんて。なんでこんなことに?」

ストレス社会に拍車がかかり、多くの人間が後天性自閉症状態になって他者とのコミュニケーションを拒否して引き籠るようになった結果、その表情を失ってしまったのだ。

「人類にこんな未来が待っていたなんて」

 ドクターは無表情に呟いた。

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第五百五十三話_short 悪魔の相談窓口 [allegory(寓意)]

 口を開けば奥さんと喧嘩になってしまうと悩んでいるご主人に言ってやったよ。それなら口を開かないようにすればいいじゃないか。「は?」と聞き返されたから、だから、口を聞かないようにすればいいんじゃとわかりやすく言い直してやった。うんうん、その後彼ら夫婦は上手くいってると聞いている。

 こんな夫婦もいたな。顔を合わせるたびに言い争いになるって。わしは言ってやった。ならば、顔を合わせなければよいのじゃと。うんうん、そのようにしたら、グンと言い争いはなくなったそうじゃ。

 一緒に旅行に出かける度に喧嘩になるというカップルには、じゃあ一緒に旅行に行くなと言ってやった。それから喧嘩はしてないそうじゃ。 

 そりゃあそうじゃ。原因を取り除けば結果はよくなる。嫌なことは止めればいいんじゃ。嫌な奴とは合わなければいいんじゃ。夫婦なのにって? 夫婦であれ兄弟であれ、因果を取り除くのじゃ。口数が減っても夫婦は夫婦じゃろ?

 ああ、夫婦に限らんぞ。どんな女と付き合っても結局上手くいかずに喧嘩別れになるっていう男がいたなぁ。

 うんうん、簡単じゃ。もう女と付き合うなと言ってやった。上手くいっとるそうじゃよ、楽しくな。うん、男同士で楽しく付き合っとるそうじゃ。 

 最近変わったところではな、生きとるだけでしんどい、辛いというのがおったな。

 もちろん、言ってやった。ならば生きるのを止めれとな。

 うんうん、いまは幸せにしてるそうじゃよ。なに? ああ、眠っているのじゃ、ずーっと墓の中でな。 

 soudan .jpg

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第五百五十二話_short ご褒美 [literary(文学)]

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「この一年、良く頑張りましたね」

 神が言った。

 そりゃあそうだ。我ながら本当によく頑張ったと思う。近隣の年寄りたちの面倒を見、子供たちを車から守るために横断歩道で黄色い旗を振り、被災地でボランティアをし、親の介護をし、外国への義捐金も惜しまなかった。世の中にこんな立派な人間がどれほどいることだろう。

「うんうん、あなたのような人はそうはいませんね。褒めて差し上げますよ」

 柔和な微笑みの神様に訊ねた。

「じゃ、じゃあ、これからなにかいいことが起きますね、きっと」

 すると神は、

「うーん、その通りと言いたいところじゃが本年度からシステムが変わってな、残念じゃが今までの善行は評価はするが、なかったことになってしまうのじゃ」

「なな、な、なんで?」

「わしゃ知らん。わしにもわからん。そういうことになったそうじゃ」

「か、神様、そんなこと言わずに! なにかご褒美を!」

「善行に、褒美など希望してはいけませんぞ。そんなことを口にすればすべてがゼロに帰してしまう」

「ゼロにって……口にしなくってもシステムが変わってゼロにって、いま……」

 神はもごもごと口ごもりながら

「あ、そうじゃ。ご褒美の代わりにはならないが、お前には近々親の看取りという仕事があるぞ」

 そう言うと私に背を向けた。

「さらばじゃ」 

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第五百五十一_short ほぼ模倣犯 [literary(文学)]

春らしいのどかな昼下がり。こんな日に何事も起こらないとは限らない。気持ちが良すぎるから、妙な考えで行動してしまう者も現れるのだ。

思いがけない騒ぎがあった首相官邸付近は昨日までは警官やマスコミが大勢右往左往していたのだが、一段落ついた今日は何もなかったかのようにとても静かだ。しかしそんなときこそ油断をしてはいけないのだ。まるで警察官の鑑のような考えだが、それこそが私を駆り立てているのだ。

静かな通りをそれとなくパトロールしていると、先ほどから三十歳くらいの男女が大きなバッグを持って行ったり来たりしているのに気がついた。どうも二人の態度が怪しげだ。私は街路樹の陰に身を寄せて彼らを見張ることにした。

と、間もなく男の方が持っていた大きなバッグを道において何かを取り出そうとした。

なんだ? まさか武器じゃあないだろうな?

男がバッグから取り出したのは、三日前に騒ぎとなったばかりの、あのドローンだった。事件となったものよりは少し小ぶりな感じはするが、間違いない。プロペラが四つ付いている。

私は一瞬焦ったが、気を落ち着けて、静かに彼らに接近した。

「あなたたち、それをどうするつもりなんです?」

声をかけると驚いた男は危うくドローンから手を離すところだった。女の方も、手に持っていたリモコンらしいものを後ろ手に隠した。

「い、いえ、別に……」

男はしどろもどろになりながら私の質問に答えたところによると、官邸に落下したドローンのニュースを見て、自分たちもこの辺りで飛ばしてみたいとおもった、ただそれだけのことだと言った。

実際、その二人は改めて見るととりたてて怪しいところのない普通のバカップルに違いなかった。それに、バッグからドローンを取り出そうとしただけで、まだ何も犯罪など起こしていない。また、仮にここでドローンを飛ばしていたとしても、それ自体はなんの罪もないのだ。当然、逮捕するようなことではない。

「ぼ、僕たち、どうなりますか?」

男が心配そうに聞いた」

「ほらぁ、だから止めとこうっていったじゃない!」

女がきつい口調で言った。

私は少し表情を和らげて言ってやった。

「いえ、別にどうもなりませんが、この辺りでこういうの飛ばすの、止めておいていただけますか?」

 当然だ。官邸敷地内に飛び込んでしまったら、また騒ぎになってしまう。

二人はほっとした表情になってもう一度訊ねてきた。

「タイホとか、だいじょうぶなんですね?」

 私は答えた。

「もちろん、逮捕などできませんよ。私だって、この辺りをパトロールしてみたかっただけなんだから。警官のコスプレでね」

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第五百五十話_short ドローンの脅威 [science Fiction(空想)]

 首相官邸でドローンが墜落しているのが発見された。

 ドローンとは複数のプロペラで飛行する小型無人機のことで、近年になって世界中で話題になっている玩具のような飛行機器だ。落下していたものは両手で抱えるほどの大きさで、djiファントムと呼ばれているものだが、世間を震撼させているのはその機体に放射性セシウムが入った容器が取り付けられていたことだ。いったい誰が何の目的でこんなことを?

 報告を受けた阿媚首相は笑いかけながら言った。

「まあ、大事に至らなかったわけですし、いいじゃあないですか。でも一応、いろいろ調べてもらえますか?」

 相手は玩具のような代物であるし、あまり騒ぎ過ぎるのもどうかと考えているのだろうか、さほど大きな問題とは思っていないようだった。

「しかし首相、こんなものとはいえ、自由に官邸内に入って来るなんて、これは大問題ではないのでしょうか?」

 首相はそれでも態度を変えずに答えた。

「そうですね。だから一応調べて欲しいわけなんですが、同時に今後の対策なども練っていただけますか?」

 そうなのだ、今後の対策、すなわち航空法や法律でドローンを取り締まる必要が緊急にあるということなのだ。それにしてもこれほど小さくてしかも無人機である飛行物をどのようにして取り締まることができるのだろうか? 噂ではさらに小さなドローンも生まれているというし。

「それにしても近頃、なんだか小さな虫が多くはないか?」

 確かに。建物の内外を問わず、あまり見たことのないような小さな虫がブンブン羽音を立てて飛んでいるのだ。まだ蚊が飛ぶ時期には少し早いと思うのだが。それに去年まではこんな虫は飛んでいなかったと思うし。

「首相、起きをつけた方がいいですよ。そろそろデング熱の時期でもあることですし……」

 秘書官はそう言いながら一匹の虫を手でたたき落とした。大理石の床に叩きつけられた虫はカシャッ! と金属的な音を立てたかと思うと、身体の中から極小の螺子や歯車を飛びださせた。 

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第五百四十九話_short クラスメイト [science Fiction(空想)]

 四年生くらいまでは普通にみんなと遊んでいた。

 クラスのみんなが変わったのは五年生になってクラス替えがあってからだったと思う。ちょうどその頃お父さんお母さんの転身があったからかも知れない。新しくクラスメイトになった子たちは誰ひとり僕に近寄ろうとしなかった。僕から友達になろうと近づいていくと、みんなわあと声をあげて逃げてしまうのだ。前の学年で同じクラスにいて友達だった子も何人かいるのだけれども、その子たちも僕を遠巻きに見ているだけなんだ。

 どうして? ねえ、友達だったでしょ?

 そう言うと彼らは黙ったままあからさまに嫌な顔をして離れていくのだ。

 僕、何かわるいことしたのかしら? そんなおぼえはないんだけどなぁ。

 実は先生さえも僕に近寄りたがらないみたい。それにこの前ついに職員室に呼び出されて言われた。

「ご両親とも相談しなければいけないんだけれど、君はやはり特別教室に移った方がいいと思うんだがな」

 特別教室というものがあるという噂は知っていた。でもそこは本当に人とは違う特別な子供ばかりが集められているんだって思っていた。僕なんて何も特別なことなんてないのに、どうして??

「みんな、君に噛みつかれるんじゃあないかと心配なんだよ」

 先生は言った。そういえばクラスメイトからも言われたことがある。

「お前、近寄んな。噛みつくんじゃないぞ!」

「そうだそうだ、噛まれると感染っちゃうぞ!」

 友達はそう言って逃げていったのだ。

 なんだよ。僕、噛みついたりしないし、病気じゃないぞ!

 そうは思ったものの、実は最近は家で出される生肉だけでは物足りなくなっている自分を感じはじめていて、ああ、もしかしてそういうことかと思わないでもなかった。

 お父さんが転身したのも、会社で誰かに噛まれたからだって言っていた。お母さんはかおいろがわるいわと言ってお化粧が濃くなってきてるし、髪の毛が抜けて困るって言ってた。僕自身もこないだ耳を触っていたらポロリと取れちゃってびっくりした。

 特別教室って噛みつく子たちのクラスなのかな? みんなと友達になれるんだったら、そっちに移った方がいいのかな?

 先生が言った。

「そんな暗い顔するな。君のような子はこれからもっと増えていくだろうから、友達だってすぐできるさ。それに、君らはもう死ぬこともないんだから、死ぬまで……いや、いつまででも好きなことをやって生きていける……あ、違うか、死んでいけるって言うべきなのかな? しかしえらい世の中になったものだ。ゾンビと共存する世界なんて……」

image.jpg[コピーライト]ティムバートン

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第五百四十八話_short 恐ろしくない恐怖 [horror(戦慄)]

 世間の人間はいったいなぜ怖がるんだろうと思う。世の中に怖いものなどあるか? 幽霊? お化け? 怪獣? そんなものは実在しない。UFO? あれは未確認飛行物体なんだろう? いたとしても相手はただの宇宙人だ。テロリストとか犯罪者が怖い? 相手は同じ人間じゃあないか。怖いことなどあるものか。

 怖いと思うから怖いんだ。

 自分がしっかりしていて正しく対処さえすれば、この世に怖いものなどなにひとつないんだ。俺はそう信じる。

 どうして人は恐怖を感じるのか、それは危険から回避するためだという学者もいるようだが、そんなもの弱虫の屁理屈だと思うよ。

 そう言いながら相手を睨みつけたとたん、悪人の銃が俺をめがけて火を吹いた。

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第五百四十七話_short Gooogliマップにこんなものが! [literary(文学)]

 昨日からネット上のマップにおかしなことが起きているという情報が流れていたのだが、またネットの悪戯だろうとあまり関心を持たなかった。夜になって夕食を食べながらニュースを見てるとその話が報道されていて、そんなに大ニュースだったのかと改めて興味を持ったのだ。

 その、おかしなことが起きているのは、ゴーゴリマップというネットで公開されている地図上のことなのだ。見ると、皇居の敷地内に恒信教という宗教の建物があるように記載されていたり、警視庁もある宗教団体の名前が記載されている。日本に限らず、かつてはホワイトハウスにはアメリカの機密情報を漏らしたとされるE.スノーデン氏の名前書きされたこともあったとか。この地図の機能を使えば、ユーザーが情報を書き込んで共有することができるのだとか。

「おもしろいなぁ、ゴーゴリマップって、こんなことができるのか」

 私はすっかり興味をもってしまい、試しにやってみようと考えた。

 何をどうするのか考えるより先に、まずは自分の家の場所がどうなっているか見てみようと思った。私の家も第七サティアンなどというふざけた名前になってたりしてなどと妄想しながらPCでGooogliマップを開いて、自分の住所で検索をかけてみると、画面上に近隣の地図が現れた。だが、そこに記載されている記述を見て思わずわっと超えをあげた。

「な、な、な、なんだ? 誰がこんなことを!」

 マップ上の私の住所のところには「IZIZテロリスト本部」と書かれているではないか。

「どういうことなんだ?」

 思わず声に出して言うと、すぐ傍で武器を磨いていた仲間が笑いながら言った。

「それ、別に間違っていないんだから、いいんじゃない?」

 しかし、こんなに簡単に我らのアジトの場所が公開されていていいのだろうか? 

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